第三回「フェアトレード(すき家男子の巻)」 文:椎名 勲

写真  小麦色に日焼けしたオセロあかきは「すき家男子」マニアで、イケメン探してあちこち食べ歩いている。あかきのすき家男子ベスト3は、No.1 が新宿NSビル店の男子、No.2 は渋谷センター街店、No.3は池袋サンシャイン前店。・・・あかきの案内で、白系ロシア風色白のオセロジュリと私の3人は、新宿店へ。
 あかきが「ラッキー!」と声をあげる。偶然にも、カウンターに「すき家男子No.1」本人が現れた。(なるほどイケメンだ!)
 コーヒーができるのを待つ間、私はカウンターの彼に、いきなり突撃取材を試みた。
「このコーヒーの産地は、どこ?」、「東ティモールのコーヒーで、今、売り出し中です」、「なんで東ティモールなの?」、「まだ貧しい国ですが、美味しいコーヒーができるので会社として応援しているんです」
 オセロの二人が、すき家男子に見とれていた。・・・私は、イケメンをちょいと揶揄ってやれと思って、「アルバイト?」、「正社員です」、「フウン。やりたいことは何かね?」
「そうすね。うちの会社はフェアトレードやっているんです。東ティモールの貧しいコーヒー農家から、コーヒー豆価格の暴落時でもちゃんと適正価格で買い上げて、農家を応援しているんです。買い上げた量に応じて、金額を10%とか積み立てて毎年、村人に荷物運搬用のトラックを贈ったり、昔ながらのかまどは熱効率が悪いので、新しいかまどを作ってあげたりと、生産や生活の向上に役立ち、コーヒー農家が豊かになるよう支援しています。・・・社員も何人か、東ティモールに出張して、コーヒー農家を助けています。私も是非、現地に出かけて村人を手伝いたい、と思っています」 「ウム、そうなんだ。立派な仕事をしているんだな。これからも頑張ってくれ」
 揶揄うつもりが、励ますハメになった。・・・オセロのあかきとジュリが隣で笑っていた。
 テーブル席に食事とコーヒーを運ぶ。オセロの二人と私は、すき家男子の方を見つつ、3つのコーヒー・カップを高く掲げて、声を揃えた。
「すき家男子に、カンパ〜イ!」

椎名勲プロフィール

日本児童文芸家協会会員(児童小説・脚本・エッセイなど)。化学会社役員・顧問を経て、現在株式会社キッズ(映像制作会社)顧問。“食のエッセイスト”として地下鉄情報誌メトロガイドに「いい店見つけた」を長期連載中。著書「マイ・ベスト・デイズーぼくらの最後の試合―」(シティライフ社・映画「ベースボールキッズ」原作)、「いい店見つけたー料理は作った人の味がするー」(日刊工業新聞社)、映画「少女戦士伝シオン」脚本など。

フェアトレードとゼンショーの取り組み

生産地と食、そしてフェアトレードetc

みなさんは普段、どのようなところでリフレッシュしていますか?
新宿にあるNSビルの一角に、明るい店構えで気軽に入れるとビジネスマンに人気のお店があります。しかも、ゆったりとした空間でおいしいコーヒーが飲めるうえ、分煙でスペースが区切られているから、気持ちよく過ごせると評判です。
どんな会話をしているのだろうと耳を傾けてみたところ…みなさん、趣味の世界やお互いの知性を刺激し合うような話しをしているようです。

※コーヒーはお取り扱いのない店舗もございます。

※アイスコーヒーはルワンダ産の豆を使用しています。

安価で気軽に飲めて、しかも東ティモールの発展に貢献できる!?東ティモールコーヒー

写真
フェアトレードという言葉をご存知でしょうか?
直訳すると「公正な貿易」。つまり、開発途上国で生産された食料品や日用品を、適正な価格で購入し、開発国の生産者や労働者の自立や生活改善を目指す運動のことをいいます。

ゼンショーホールディングス(以下、ゼンショー)は、以前より開発途上国に対し、NPO法人などと協力して間接的に寄付や支援などを行ってきました。その過程で紛争後の東ティモール民主共和国(以下、東ティモール)とも関わるようになりました。

フェアトレードというと、どうしても他の商品より割高というイメージがあります。フェアトレード商品を扱う多くはNPO法人のため、一度に輸入できる量も少なく、輸送費がかかってしまうからです。

その点、ゼンショーはすき家をはじめ、世界中に4300以上の店舗があります。その販売力を生かして、商品を安価に提供できる強みがあるのです。

特筆すべきは、ゼンショーのフェアトレードに対する取り組みです。
ゼンショーでは、コンテナが日本に到着した際、すべてのコーヒー豆の状態をチェックし、現地にフィードバックしています。
たとえば、豆の状態です。暑い国から来るため、日本に来ると冷えてコンテナ内に水滴が発生してしまいます。それが天井から落ちて豆につくと、カビの原因となるのです。麻袋に水滴のついた跡がなくても、濡れた疑いが少しでもあると、さし棒で中の状態をチェックします。
その数たるや膨大です。というのも、東ティモールから来るコーヒーは、女性でも運べるよう麻袋を通常の半分の大きさにしているからです。当然、チェックの数は倍となり、作業は一日がかりです。
それでもあえてチェックをし、フィードバックする理由を、ゼンショーの担当者はこう語ります。「輸出の手順などを知り、自分たちで手続きができるようになれば自立につながります。そして、ゆくゆくはフェアトレードではなく、普通の取引ができるようなところまで力をつけてほしいです」。

フェアトレードで得た資金も、ただ渡すだけではありません。担当者が現地に何度も足を運び、「何が一番必要か」を一緒に考え、きちんと実施されているかを確認しています。
たとえば、他の開発途上国では、学校はあるのに、幼い兄弟の面倒を見るために通えないケースが見受けられます。そこで、子ども達がきちんと学校に通えるように母子健康プログラムを導入するなど、各生産者団体にとって一番必要なことに資金を有効活用できるようにしているのです。

2007年4月に、すき家のレジ横で始まった東ティモールコーヒーの販売。現在は、店舗で楽しむことができます。
オーガニック栽培で丁寧に育てられた味わい深いコーヒー。安価で気軽に飲めるうえ、フェアトレードとして東ティモールの発展にも関わることができるのです。食後に、あるいはビジネスの合間に、味わってみませんか。

※ コーヒーはお取り扱いのない店舗もございます。


ゼンショーフェアトレード公式Facebookページはこちら

すき家
すき家に関する詳しい情報、 近くの店舗検索はこちら
パソコン
すき家WEBサイト
携帯サイト
:http://www.sukiya.jp/m/
お電話
:すき家お客様相談室
 TEL 03-5783-8806(9:00~19:00)