第二回「オーガニック」 文:椎名 勲

写真  ロケで小麦色に日焼けしたチャーミングな
カメラ助手あかき、北海道生まれで白系ロシア風に色白の(室内で仕事をする)美容師ジュリの仲良しコンビに、「オセロ」というニックネームを進呈したのは私だ。
 撮影現場の合間、すき家のお持ち帰り弁当を買いに行くオセロに、私はコーヒー3つ分の
代金を渡す。「1つは私、2つはオセロに」、
あかき「ラッキー!」・・・オセロのランチが終わって、3人でコーヒー。
 オーガニック・コットンのボーダーのカットソー、ニットのカーディガン、タイトのパンツにブーツ姿のジュリ「これ、オーガニック・コーヒーなんですって?」、私「そう。オーガニック・コーヒーは、化学肥料や農薬や殺虫剤を一切使わないから、安心なんだ」、「わたし、職業柄オーガニックに興味あるんです」、「なんで?」、「例えば、ヘッドスパ。頭皮のマッサージ、毛穴のクレンジング、頭皮へ栄養を与える髪のお手入れには、100%オーガニックのホホバオイルを使って頭皮全体をしっかりマッサージします。石油系のケミカル・シャンプーの中には、頭皮の脂を取り過ぎたり、洗い流せなかった成分が毛穴を埋めてしまったりして、細毛や抜け毛のもとになるものがあります。オーガニックは毛穴を塞がず、髪にやさしいの」、「それから?」、「オーガニックは人にやさしいから、いろいろなオーガニック化粧品を使いたいと思って、勉強しています」(勉強家なんだ!)
 私「将来は何を目指したいの?」、「もっと外に出て仕事したいと思っています」、「華やかなタレントのメイクさんとか?」、「いいえ。美容院に行きたくても、なかなか行けない人の家に行って、綺麗にヘアメイクして差し上げたい」、「どんな人?」、「1・2才の子どもを育てていて、たまにしか美容院に出かけられないお母さん、怪我や病気や高齢で外出できないけれど、綺麗にしていたい、と思っている人。そういう方々を明るい気持にして差し上げたいです」、「・・・ウウム!」私はバカな質問をして恥ずかしくなり、しばらく唸っていた。(しっかりした、素敵な考えの持ち主だった)
  ・・・「シーナさん、コーヒー有り難う。あかき、仕事始まるヨ。サッ、行こう」ジュリはオーガニック・コーヒーを飲み干し、ゴミ箱へカップを投げ入れてスッと立ち上がった。
私(フム、できる奴だ! 若いけれど、プロの仕事師だな)

椎名勲プロフィール

日本児童文芸家協会会員(児童小説・脚本・エッセイなど)。化学会社役員・顧問を経て、現在株式会社キッズ(映像制作会社)顧問。“食のエッセイスト”として地下鉄情報誌メトロガイドに「いい店見つけた」を長期連載中。著書「マイ・ベスト・デイズーぼくらの最後の試合―」(シティライフ社・映画「ベースボールキッズ」原作)、「いい店見つけたー料理は作った人の味がするー」(日刊工業新聞社)、映画「少女戦士伝シオン」脚本など。

すき家の日常

コミュニケーション進化論&クリエイティブな人たちの夢

新宿にあるNSビルの一角には、多くのビジネスパーソンなどがふらりと息抜きに訪れる場所があります。ゆったりとした空間のため、多少込み合っている時間帯でも落ち着いておいしいコーヒーが飲めると評判のお店です。
どんな会話をしているのだろうと耳を傾けてみたところ…みなさん、趣味の世界やお互いの知性を刺激し合うような話しをしているようです。

※コーヒーはお取り扱いのない店舗もございます。

※アイスコーヒーはルワンダ産の豆を使用しています。

オーガニックコーヒーだからこその、深い味わい

写真最近、食料品から化粧品などの日用雑貨に至るまで、オーガニック商品に出会うことが多くなってきました。カフェでもオーガニックコーヒーなどを扱うところが増えてきたので、見かけたり、実際に飲まれたりした方も多いのではないでしょうか。
東ティモールコーヒーもオーガニックコーヒーなのです。
第1回でご紹介したように、コーヒー栽培に適した土地を持つ東ティモール民主共和国(以下、東ティモール)。ここは長く紛争状態にあったため、近代農法が入ることなく、良質な土地が保たれていました。 近代農法で栽培すると、収穫量も多く、見た目もきれいで美味しそうな豆ができますが、選別時にそのほとんどがふるい落とされます。農薬を使う分、実も土地も痩せてしまうからです。

対して、豊穣な土地でのびのびと育った東ティモールのコーヒー豆は、収穫量こそ少なく、豆のサイズもバラバラですが、なんと全体の8割以上が「質の良い豆」として選別されるといいます。
選別された後は、種を取り出して乾燥させます。多くのコーヒー生産地では、乾燥機を使用しますが、東ティモールでは、ほとんどの農家に乾燥機がありません。そのため、天日干しで行います。この時期は雨が非常に多く、天候に注意しながらの作業になります。こうして2週間、手間暇かけてじっくり乾燥させたコーヒーは、雑味のない深い味わいとなります。

課題は、収穫量を安定させることです。というのも、東ティモールには紛争前からの古い木がたくさんあります。コーヒーの木は、定期的な植え替えやカットバック※1による手入れが必要です。しかし、これらを行うと、収穫できる実がなるまで3〜4年はかかり、一時的に収穫量が落ちてしまいます。また、古い木を植え替えるためには、新しい苗も必要ですが、非常にコストがかかります。
東ティモールで農業指導を行うゼンショーホールディングスでは、農園全体の1割をカットバックし、1割を植え替える方法を提案しています。また、生産者にとって負担の大きい苗木の購入なども積極的に協力しています。こうすることで、オーガニック栽培を行いつつ、より安定した収穫量の確保ができるように取り組んでいるのです。

丁寧に作られた東ティモールのオーガニックコーヒー。このコーヒーを飲めるのが「すき家」です。「コーヒー飲みたいな」と思ったら、お近くのすき家に立ち寄ってみませんか。※2

※1 カットバックとは新芽を残しつつ、伸びた枝を切り落とすことで、結果的に木を太らせ収穫量を増やす方法。

※2 コーヒーはお取り扱いのない店舗もございます。


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