高校中退の自分が彼女と生まれてくる子どもをどうやって養うのか──。そんな不安に押しつぶされていた勝山を京都・河原町のカフェに連れ出した久世大亮は、勝山にこう切り出した。「一緒に営業せえへん?」と。 久世は大学を中退した後、大阪の営業代行会社で働いていた。大手通信会社の通信回線やiPhoneなどを販売する二次代理店の営業である。当時は社用携帯がガラケーからスマホに置き換わる時期。久世は法人向けの販路開拓や提案営業などに奔走した。 マネジメントの才があった久世はすぐに結果を出し、すぐに10人、20人を動かすマネジャーに昇格している。 久世のチームには、大学生のインターンが何人もいた。ただ、マネジャ