昆虫少年時代は、飽きずに昆虫の本や図鑑を眺めていました。その中で、植物の葉っぱを切り取って巣に持ち帰り、菌を植え付けてキノコを育てるハキリアリに出会いました。アリが、農業をしているんです。人間以外で農業をする生物がいるなんて驚きでした。 そんなわけで、昆虫少年や昆虫マニアの間では、ハキリアリはアイドル的な存在です。あまり一般的ではありませんが(笑)。その例に漏れず、少年時代の僕も図鑑に載っているハキリアリの写真にうっとりと見とれていました。 初めてハキリアリを実際に目で見たのは、大学院生のときのことです。中米のパナマで、キノコを育てるアリの中でも祖先的な特徴を残しているアリ「ハナビロキノコアリ