情報通信技術(ICT)が仕事や暮らしに浸透し、わたしたちは本格的なデジタル時代を迎えている。中小製造業にとっても、少子高齢化に伴う労働力の減少、自然災害や感染症流行による事業環境の急激な変化に対応したり、生産性を向上したりするうえで、ICTを自社の経営に取り入れる「デジタル化」は有効と考えられる。 しかし、中小製造業のデジタル化は道半ばの状況のようだ。その要因は大きく二つある。 一つ目は、デジタル化に必要なノウハウや人材、予算が不足しているからである。大企業に比べて経営資源が少ない中小企業にとって、デジタル化の取り組みはそう簡単ではない。 二つ目は、費用対効果を予測しにくいからである。デジタル