米金融大手JPモルガン・チェースのダイモンCEOは10月13日、「世界は過去数十年で最も危険な時期を迎えているのかもしれない」と警鐘を発した。ダイモンCEOだけではない。世界の金融関係者の間で「中東地域で紛争が拡大すれば、世界的なリセッション(景気後退)となる」との危機感が生まれている*1。 ダイモン氏の念頭にあるのはインフレ高進とそれに伴う金利上昇のリスクだろう。それにしても、なぜここまで深刻な見方を示したのだろうか。 10月7日に始まったイスラム組織ハマスとイスラエルの戦いは収束するどころか、今後周辺地域を巻き込んだ形で拡大することが予測されている。 大油田地帯を擁する中東地域で紛争が起き