タイの新首相選出が大揉めに揉めている。 タイでは2014年、クーデターが起こり、陸軍司令官のプラユット・チャンオチャ氏がタクシン元首相派の政権を打倒して、実権を握った。首相の座に就いたプラユット氏は、2019年の下院総選挙では、自らが率いる「国家国民の力党」は第二党にとどまったものの、少数政党の協力を得、引き続き首相の座に座り続けた。 それから4年――。今年5月14日、下院総選挙が行われた。プラユット氏は選挙後も首相を続けたい意向だったが、与党分裂で臨む選挙に勝利する見込みはほとんどなかった。 選挙前に「勝利確実」とされていたのは、タクシン元首相派のタイ貢献党だった。 ところが実際に総選挙で最