1945年8月15日の正午、「堪え難きを堪え、忍び難きを忍び…」という言葉で広く知られる昭和天皇の【終戦の詔書】の玉音放送がラジオから流れた。 私の母もそれを聴いていた一人だ。皆で空腹を抱えながらぽつねんと立って聴いていたという。あの日も朝から蝉が鳴き騒ぎ、やけに空が青かった、と母は語った。「陛下の天に昇るような甲高い声。まるで和歌を詠んでいるようで何を言っとるのかさっぱり分からんかったね。でも戦争に負けたということだけは分かったとたい。正直ほっとしたね。今晩からは電気も点けられるし、もうB29の空襲もない。それが嬉しかった」 戦争中、母は戦闘機に追っかけられた経験があった。「田んぼのあぜ道を
母から聞いた戦争の記憶、そこから思う昭和天皇と戦争
庶民は戦争当時、何を思っていたのか、そしてその時天皇は…
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