日本海に面した谷あいに突如として現れる余部(あまるべ)鉄橋。赤色の鉄橋が凜々しい往時の風景を懐かしむ鉄道ファンは多い。明治45年(1912年)に建設されたJR山陰本線余部鉄橋(兵庫県香美町)は、当時、東洋随一の鋼トレッスル橋(steel trestle bridge、鉄骨をやぐら状に組み上げた橋脚)として多くの人々に親しまれ利用されていた(写真1、2)。 戦後、地元の要望のもと餘部(あまるべ)駅(現在も旧字体が使われている)が開設され、利用客の利便性が改善された。一方では、日本海沿岸の厳しい気象条件を受け、遅延・運休が頻発していた。加えて、昭和61年(1986年)に列車転落事故が発生し、平成期
余部橋梁、旧橋一部保存と運休期間短縮のために採った奇想天外な施工法
橋桁を平行移動し、旋回するという斬新な発想が結実
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