被告に対し懲役20年を求刑する――6月12日、神戸地裁で開かれたある裁判員裁判で、検察側はこのように刑を求めた。 短髪にスーツ姿の被告は、表情を変えず、黙ってそれを聞いていた。 13年前に殺人事件を起こし、それから11年間も逃亡を続けていたこの被告は、事件当時は未成年だった。一昨年の8月4日にやっと逮捕されたが、そこから弁護側は精神鑑定を2度も求めたものの2度とも却下され、ようやく初公判が6月7日から3日間行われた。そして12日には求刑が行われたのだった。 犯人が11年も逃亡していたという注目の事件だけに、神戸地裁前には傍聴券を求めて大勢の希望者が列をなした。法廷は100人ほども入れる大法廷だ