「長崎に行っていました」と知人に不在だった理由を話すと、「どんな取材だったんですか」と尋ねられた。「ダム事業のために立ち退きを迫られている13世帯が座り込みを続けている現場です。計画されたときから半世紀以上が過ぎて、目的も失ったのに、長崎県がやめようとしない」と答えると、「そんなことがあるんですか」と驚かれた。あるんです。 半世紀前は佐世保市に工業団地を誘致することが構想されていた。1960年代、大量の水を必要とする重工業が伸びていた昭和の話だ。誘致は失敗。その用地から14キロメートル離れた隣の川棚町に計画された石木ダムは、その目的を失った。そして、ダム完成予定(1979年)は遠く過ぎ去り、その
予定されていた工業団地はハウステンボスに、目的失ったダム計画が消えない謎
【川から考える日本】石木ダム予定地で「普通の生活」を待つ13世帯
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