(川島 博之:ベトナム・ビングループ、Martial Research & Management 主席経済顧問) ある事件は時間が経ってから振り返ってみると、その意味が明瞭になることがある。満州事変(1931年)や2.26事件(1937年)は、それが起きた当時は中国の片田舎での軍事衝突や軍内部の抗争と思われていたが、時間が経ってみると、あれはその後の大戦争の導火線であったことが分かる。 2023年1月半ばにベトナムでグエン・スアン・フック国家主席が突然退任したことも、そのような視点で考えるべき事象であろう。 習近平が政権の座についた2012年頃から、東南アジアでは予想できなかったことが起きるよう
中国には好都合?汚職退治と国家主席の突然辞任で混乱するベトナム
米中対立に翻弄される東南アジア
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