日本武道館から680キロメートル離れた地方都市に暮らす私にとって、国葬の9月27日はいつも通りの平日だった。それまでの数日間、東京方面からは「周辺の幼稚園は休園」「登校させずにオンライン授業」「首都高通行止め」と市民生活への影響がさまざま伝えられていたが、広島の私は、なんのイレギュラーもない、なんてことない一日を過ごした。 いつものように、原爆ドームや原爆慰霊碑、原爆供養塔に手を合わせ、戦争によって未来を奪われた犠牲者の方々に思いを馳せた。秋の彩りを増してきた平和記念公園は、各地からやってきたたくさんの生徒さんたちでにぎわっていた。 2年前の中曽根康弘元首相の内閣・自民党合同葬の際、公園内の原