「アリの一穴」という言葉がある。「動態清零」(ゼロコロナ政策)という「中国の特色ある不可思議なコロナ対策」のせいもあって、いまや青息吐息の地方金融機関のヤバい実態の氷山の一角が垣間見える事件が、河南省で起こった。 中国には昨年末現在で、金融機関が4602行あるが、その中で「村鎮銀行」と呼ばれる地方の信用金庫が1651行ある。河南省にある4つの「村鎮銀行」――禹州新民生、上蔡恵民、柘城黄淮村、開封新東方の預金者の預金が、4月下旬から突然、引き出せなくなった。この4行は「システムを改良中で一時的に障害が起きている」と説明したが、約2カ月経った現在でも、「システム障害」は続いたままだ。おまけに銀行も店