来年1月20日、筋書きのないドラマ「金融危機」の第2幕が始まる。米国民は建国以来初のアフリカ系大統領を「主役」に抜擢し、経済復活の望みを託す。しかし危機が終息しても、米国が「唯一の超大国」として君臨する冷戦後のパラダイムには戻らず、世界経済は急ピッチで多極化に向かうだろう。それなのに、「ポスト金融危機」の国家戦略を描けないのが日本の実情だ。