ジョーンズ ラング ラサール プロジェクト・開発マネジメント事業部 シニアディレクターの溝上裕二氏(撮影:今祥雄)

 コロナ禍が一段落し、在宅からオフィスワークへと回帰している企業も増えてきた。一方、ハイブリッドワークで途切れなく業務を進める上での悩みや、在宅と出社の間で起きるコミュニケーション齟齬(そご)など、課題は以前よりも増している。オフィスの存在意義が変化する中、総合不動産サービス大手、ジョーンズ ラング ラサール(以下、JLL)が東京と大阪のオフィスを移転した。新オフィスから日本の経営者が参考にできる点を、JLLプロジェクト・開発マネジメント事業部 シニアディレクターの溝上裕二氏による説明から探った。

「One JLL」を築くためのオフィス移転

――JLL日本法人は、2022年11月に東京、そして翌12月には大阪のオフィスを相次いで移転しました。今回の移転の背景は何でしょうか。

溝上 裕二/ジョーンズ ラング ラサール プロジェクト・開発マネジメント事業部 シニアディレクター

一級建築士であり、工学博士の学位を持つ。翻訳書に『プログレ厶・シーキング 建築課題の発見・実践手法』(ウィリアム・ペーニャ他著。彰国社)。「第36回日経ニューオフィス賞」、「2023年度グッドデザイン賞」を、JLL東京オフィス制作メンバーの1人として受賞。

溝上裕二氏(以下敬称略) 理由は3つあります。会社の人員が増え、従来のオフィスでは手狭になったこと。東京も大阪もそれぞれ3つのオフィスに分散していたこと。そして、以前のオフィスは老朽化が目立ち、ワークプレイスのコンサルティングをする企業にふさわしいオフィスへとアップデートする必要があったことです。

 特に意義として大きかったのは、分散していたオフィスを統合した点です。社員皆で一体となってお客さまへ提案していくために、「One JLL」となることが不可欠でした。

――新しいオフィスを構築するにあたり、目標としたことなどはあるのでしょうか。

溝上 1つは私たちが定期的に調査し、発表している「Future of Work」(働き方の未来)をきちんと具現化したオフィスにすることでした。Future of Workを反映したオフィスづくりの重要なポイントは「ハイブリッドワークへの対応」「環境・社会的志向」「パートナーシップ」「質の高いスペースへの投資」「最先端テクノロジーへの投資」の5点です。

 もう1つは、繰り返しになりますが「One JLL」の実現です。皆が一体となることで情報が行き交いますし、お客さまに最高のサービスを提供できます。これはプロジェクトにおいて重要なゴールでした。