米アップルが2025年までに、スマートフォン「iPhone」生産の25%をインドに移管する可能性があると、ロイター通信や米テッククランチが9月21日に報じた。
22年内、「iPhone 14」生産の5%をインドで
米銀大手JPモルガン・チェースのアナリストらが同日、顧客向けのリポートで指摘した。中国での地政学的緊張の高まりや、厳格なロックダウン(都市封鎖)措置を受け、一部の生産を中国から移すという。
JPモルガンのアナリストらは、アップルが22年内に、最新モデル「iPhone 14」の生産の約5%をインドに移管するとみている。また、パソコン「Mac」 やタブレット端末「iPad」、腕時計型端末「Apple Watch」、ワイヤレスヘッドホン「AirPods」を含むアップル製品全体の中国以外での生産比率を、25年までに現在の5%から約25%に引き上げると予想している。
一方で、ベトナムは25年までにiPadとApple Watchの全生産量の20%を、MacBookの全生産量の5%を、AirPods全生産量の65%を占めるようになるとみている。
コロナ規制緩和で移転の動き加速
アップルは製造分野の地理的な中国依存を低減するため、他のアジア諸国での生産増強に力を入れている。17年には、台湾の電子機器受託製造サービス(EMS)大手、緯創資通(ウィストロン)と提携し、インドでiPhoneの型落ちモデルの生産を開始した。20年には同じく台湾EMS大手の鴻海(ホンハイ)精密工業が当時の現行モデルを手がけ、インド生産を本格化させた。