自治体への浸透も始まるRPA

デジタル化に積極的な東京都葛飾区が本格運用を開始

栗原 雅/2018.12.28

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柴又帝釈天がある東京都葛飾区ではRPAの導入が本格化している

 大手企業を中心に利用が広がっている「RPA(Robotic Process Automation、ソフトウェアロボットによる業務自動化)」が、自治体にも浸透し始めた。

 とりわけRPAの導入に熱心な自治体のひとつが東京都葛飾区である。2017年の実証実験を経て、このほどRPAの本格利用を開始した。「RPAをきっかけに、業務改善に取り組む土壌が区役所全体に広がるようにしたい」と話す政策経営部情報政策課の谷口正課長に、RPA導入の経緯や今後の展開を聞いた。

マイナンバー制度がRPA導入のきっかけに

東京都葛飾区政策経営部情報政策課の谷口正課長

 葛飾区は、先進テクノロジーを活用したデジタル化に積極的なことで、知る人ぞ知る存在だ。これまでも紙の書類をデータ化するOCR(光学的文字認識)を複数の業務に導入するなどの取り組みを行ってきた。現在は、OCRとRPAを連携させた業務改善に取り組んだり、新たにAI(人工知能)チャットボットの活用を検討したりしている。すべては、“本業”である区民サービスの向上にあてる職員一人ひとりの時間を生み出すのが目的である。

 葛飾区がRPAを導入した直接のきっかけは、2016年1月に運用が始まったマイナンバー制度だった。マイナンバー制度の開始に合わせて源泉徴収関連業務に用いるシステムを新たに稼働させたことに伴い、単純な事務作業が膨大に発生することになった。

 区は審議会の専門委員や国勢調査の調査員などへ報酬を支払う際、所得税を源泉徴収したうえで、報酬額や源泉徴収額を記載した源泉徴収票や支払調書を発行する。マイナンバー制度の開始後、これらの帳票にマイナンバーの記載項目が追加された。新システムは専門委員や調査員のマイナンバーを一括管理するもので、既存の財務会計システムで管理する報酬額や源泉徴収額のデータをマイナンバーと紐づけて支払調書などを作成するのに使う。