仮想通貨以外のブロックチェーン応用例が動き出す

投票システム、宅配ボックス、電力の発電元など多岐にわたる

栗原 雅/2018.3.30

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利用した電力のうち、風力や太陽光などの再生可能エネルギーの内訳がわかるサービスにもブロックチェーン技術が利用されている

 「ブロックチェーン」は、主に仮想通貨を支える技術として知られているが、金融とはまったく別の領域でブロックチェーンを応用する取り組みが動きはじめている。

 ブロックチェーンは、分散情報処理技術の一つである。「分散型台帳技術」とも呼ばれ、ある程度まとまった件数の処理(トランザクション)の履歴を「ブロック」と呼ぶ台帳に記録し、その台帳をネットワーク上に分散した複数のコンピュータが持ち合って管理する。新たな台帳を作成する際、それまでの履歴を記録した台帳の内容を完全に引き継ぎながら、数珠つなぎで台帳を連結していく。

 一部のコンピュータに障害が発生しても他のコンピュータに台帳が残るので、正常に処理を継続できる。また、台帳の内容を次々と引き継ぎ、たくさんのコンピュータが台帳間の整合性を保った状態で分散管理するため、データの改ざんは事実上不可能だとされる。このようなブロックチェーンの利点は、仮想通貨以外にも幅広く活用できるもので、数多くの企業が実用化に向けて実証実験やサービス開始に乗り出している。

公正で透明性の高い投票システムが可能に

 ソフト開発のインフォテリアは投票システムにブロックチェーン技術を導入しようとしている。同社は2017年6月の定時株主総会で、ブロックチェーンを使った株主投票システムを用意。定款の一部変更と取締役選任の議案について、実験に参加した株主と模擬株主が、各々の議決権を行使して賛否を投票する実証実験を実施した。

 あくまで実験という位置付けなので投票結果を議決に反映しなかったが、いったん記録した情報の改ざんが難しいというブロックチェーンの技術的な特徴を生かし、総会主催者であるインフォテリアでもデータを改ざんできない公正かつ高い透明性を備えた投票システムの確立が可能なことが確認できたという。投票期間を設けて24時間投票を受け付ける、票数をリアルタイムで集計する、などが可能な利点もあり、将来的には上場企業の株主総会の投票だけでなく、国政選挙や地方選挙への展開も見込んでいる。