櫻井賢之
スタイリスト

『GQ』や『Men’s Precious』などのライフスタイル雑誌や広告、そして国民的アイドルからアスリート、政治家まで、多くの著名人をスタイリングするなど、いま最も忙しいスタイリストのひとりである櫻井賢之さん。スタイリストという職業の特性でもあるが、とにかく一日中動き回っている。自宅と事務所の場所も徒歩圏内という仕事人間は、どのように息抜きをしているのだろうか?とても興味深い。

ファッションアイテムで埋まっている

彼の事務所に足を踏み入れると、忙しいと言ってる意味がよくわかる。約100平米あるスペースのおよそ70%が、服や靴などのファッションアイテムで埋まっている。埋め尽くされてると言った方が正しいのかもしれない。我々が動くにも、ラックの間を一列縦隊で進まなければならないほどだ。狭い事務所ならば、そういうこともあるだろうが、先にも述べたとおり、事務所はそこそこのスペースがある。しかも、仕切りのないワンルームなのである。

撮影用に借りてきた数多くのファッションアイテムが並ぶ事務所内。それらを企画にあわせてコーディネイトしていくのが、櫻井氏の大きな仕事のひとつ。服にニオイが付くのは御法度なので、愛煙家の彼には厳しい環境だったが、加熱式のgloがすべてを解決してくれた。

  • スタイリストの仕事は、櫻井氏も言うように忙しない。とくに売れっ子の彼には、次から次へと仕事が発注され、その度に商品を借りに出掛ける。商品の積み込みなどは、とてもハードだ。しかし、それだけではなく、服や画の構図を練るデスクワークも大切なのだ。

「基本的に仕事は断らないんですよ。そうやってると、次々に撮影があるし、常に更新されていっちゃうじゃないですか。切れ目がないんですよ。一つひとつは作品で、映画やドラマの仕事も入ってくるので、それらは必ず区切りがあるんですけど、僕にはそれが実感できなくて。その感覚がないんですよね。それでいいんだろうか?って時々思いますけど」

 そんな彼も、はじめからこういった感じで仕事をしていたわけではなかった。多くのスタイリストは、師匠的なスタイリストのアシスタントに付き、そこで仕事を覚えて独立していく。しかし櫻井氏の社会人の始まりは、出版社勤務だった。具体的にいうと、ライフスタイル誌の編集者だったのだ。

『Men’s Precious』
@フロリダ・キーウエスト
©長山一樹

 月刊誌にいた彼は、その号が校了すると一区切りしていた。常に1カ月単位のサイクルが出来上がっていたはずである。もちろん、優秀なところに仕事が集中するのは世の常であるが。そこのところを自己分析してもらった。

「それは考えたことないですね。求められるままにやってるんで。基本的に仕事を断らないっていうのがありますが、僕が編集者だったということもあると思います。編集者や作り手側が何を求めていることがよくわかるので。相手が何を望んで、こうして欲しいんだろうな、と、結構相手の気持ちを考えるので、いい緩衝材にはなると思うんですよ」

『Men’s Precious』
@イスラエル
©川田有二

 では、スタイリングにおいては何が強味なのだろうか。

「一番は、バランス感覚ですかね。物事をいろんな方面から見ることができる。それくらいじゃないですか。あの人にいえば、押さえも利くし、ある程度外してくれといえば、無茶しない中でやってくれる。そういう感じですかね」

画作りがしたい!

スタイリストになった理由が、「画作りがしたい!」ということだったのだが、仕事をしていくうちに、現実がつきつけられたという。

「画作りをしていく上で、スタイリストはその一部にしかなれないんですよ。胸を張って、これが僕の作品ですってことにはならない。そこはちょっと考えちゃいますね」

ときより一服するために、高級ブティックに近いカフェに立ち寄るのだが、そこでもひっきりなしに電話がかかってきて、休まる暇がない。彼の場合、カフェもデスクのようなものであった。

  • 基本的にブランドやセレクトショップで商品を借りるのだが、そのプレスルームの喫煙ルームも、彼が一息つく場所である。アイテムを選んで、伝票を書いてもらっているひとときが、休息の時間。

  • 櫻井氏の商品集めの足は、愛車ポルシェ カイエン。このクルマを駆って、常に都内を走っている。なので、愛車に乗り込んで走り出す前も、彼にとっては貴重な一服タイムなのである。

 とにかく忙しい日々を送る櫻井氏。聞くと、今月飲みに行ったのは「2回くらいです」とのこと。息抜きは、一体どこでしているのか?

「僕は、いつもクルマを運転して移動しているので、飲む時はだいたい家ですね。夜10時くらいまで打ち合わせがあったりするんで、それから事務所に戻ってコーディネイト組んだりしてると、なかなか飲みに行けないです。このスタイルはちょっとしんどいな、と思うことがあります。とにかく仕事が忙しく続いてる感じで、日常が忙しない感じなんです。もう、それに馴れちゃっているので、苦ではないんですけど」

『AERA STYLE MAGAZINE』
@イングランド・ダンジェネス
©赤尾昌則

 だからたばこを吸うのもクルマの中とか、構成を考えてるときなどになってしまうそうだ。でも、加熱式たばこを吸いはじめて、大切な服などの商品や手にニオイが付かなくなったのは、とても大きかったという。

「軽いフレーバーの香りがするだけで、嫌なニオイはしないですから、たばこだけ吸いに外に出なくてすむし、クルマの中でも大丈夫ですし、加熱式たばこに替えて、そこは効率化したと思います」

 そしてもうひとつ、これも仕事絡みだが、息抜きやリフレッシュする時間があるという。

『Men’s Precious』
@キューバ
©長山一樹

「撮影でのロケですね。ここ2、3年は海外ロケが多くて、年10回ほどは行ってますね。そこで、インプットしたり、息抜きしたり。結構僻地が多いです。最近は、キューバ、イスラエル、モロッコなどに行きました。そういう知らない土地での撮影は、仕事でもいい息抜きになりますし、2、3日休みを付けたり、一緒に行ったクルーでどこか見に行ったりとかできるので、いいんですよ。そういうのがないと、やっぱり続かないです」

 どれだけ忙しくても、やはり息を抜ける場所はある。なければつくり出す。人はそれがないと生きていけないのかもしれない。

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