少数与党政権である以上、政権運営を円滑に行うためには野党に対する多少の譲歩や予算案の一部修正はやむを得ないだろう。しかし、最近の石破政権の迷走ぶりはひどすぎる。「5kg4000円台」という高騰を招いてからようやく備蓄米放出にスタンスを転換した政策決定の遅さに続き、今度は弱者いじめと言われても仕方がない高額療養費制度見直し案を唐突に出してきて、がん患者団体らの反発を受けるとやむなく一部を撤回するありさまだ。 政権としての矜持がまったく見当たらない。コメと医療、ともに国民の命に直結するテーマでつまずいた。先の訪米での“トランプ詣で”で提示した総計150兆円投資の大盤振る舞いに比べ、内政軽視の感が否