本連載のここまでの記事でも触れてきたように、1965年にMLBと同じタイミングで始まったNPBの「ドラフト制度」のコンセプトは、MLBとは似て非なるものだった。 MLBはクローズドリーグ(入れ替え戦のないリーグ)の宿命として、強者と弱者の格差が広がり、ペナントレースの魅力が失われることを憂慮して「戦力均衡」のためにドラフト制度を導入した。だから前年の下位チームから選手の指名権がある「ウェーバー制」をとった。 しかしNPBは「選手獲得コストがかかりすぎる」ことが問題だとしてドラフト制を導入した。各球団が同じタイミングで選手を指名し、指名権を確定させることで「入札合戦」によって選手の契約金が吊り上
巨人人気に頼るセ・リーグの収益構造が歪めたドラフト制度、その象徴が巨人にNPBが屈した「江川事件」だった
【連載】広尾晃の野球ビジネスモデル考察(第8回)
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