筆者が悩まされている悪夢がある。 次の米国大統領が、同国はもう北大西洋条約機構(NATO)条約に基づき加盟国の防衛に駆けつける誓いを守らないと宣言する。 欧州諸国は信頼に足る代替策をまとめることができない。失地回復主義のロシアからの脅威を恐れ、数カ国が忠誠を誓う先をロシアと中国に切り替える。 そして欧州が解体する――。 これはあり得る話だろうか。違うことを祈る。しかし、悪夢の裏に現実がある。 我々は復活を遂げるナショナリズムと外国嫌い、権威主義の時代に入ろうとしている。 オスカー・ワイルドなら言ったかもしれないように、「ドナルド・トランプを度大統領に選ぶことは不運と見なせるかもしれない。2度選
世界秩序を脅かすナショナリズム、米国が欧州安保から手を引けば世界の安定性に深刻な影響――マーティン・ウルフ
2024.6.6(木)
Financial Times
Premium会員登録のご案内
Premium会員の特典
- プレミアム限定の記事配信
- プレミアム専用記事レイアウト
- 印刷に最適な画面提供