ロシア・ウクライナ紛争の戦局に関する報道が減っているのは、中東紛争の煽りで脇に追いやられたからだけではあるまい。 戦線でのウクライナ側の劣勢と後退が目立ち始め、西側メディアにとって意気上がるような話題が乏しくなっていることも一因だろう。 ウクライナ大統領、V.ゼレンスキーは依然として領土の完全奪還を断固主張している。だが、ここ1~2か月の主要な諸報道を拾い上げると、いずれもがその目標の現実味に暗い影を落としているかのようだ。●昨年10月から現在に至るまで、ロシア軍は505平方キロのウクライナ領を奪取し、鳴り物入りで始まった昨年のウクライナ軍による反転攻勢の成果は、緩慢ながら帳消しにされつつある