2024年1月に行われた台湾総統選では、中国がかねて「分離主義者」と非難する与党・民進党の頼清徳副総統が当選した。注目を集めたのは票差だ。僅差と読まれていたが、国民党候補・侯友宜氏は80万票という大差で敗れた。 直前の世論調査から地滑り的に民進党が得票を増したのは、投開票の5日前の8日、国民党の馬英九元総統が「両岸(中台)問題では習近平を信用しなければならない」と発言したことも影響していると言われる。侯氏は慌てて「私とは考えが違う」と火消しに追われるはめになった。 中国との統一を明確に拒む民進党はもちろん、親中的といわれる国民党ですら、「習近平を信用する」という発言が“失言”となる――。これが