第2次世界大戦後の日米関係において最も背筋が寒くなる事件の一つが1982年に起きた。場所は米国のデトロイトだ。 米国人の雇用を盗み取っているとして日本人を非難していた米国人の自動車工場労働者2人が、ある中国系米国人の男性を日本人と勘違いして野球のバットで殴り殺した。 加害者に同情した判事は2人に3000ドルの罰金を科しただけで、刑務所には送らなかった。 このとてつもなく寛大な判決は、後に政府のトップレベルにまで伝わった当時のムードを反映していた。 世界の経済的超大国の座を日本に奪われることを恐れた米国は、バールを手に取り、振り回した。 貿易規制を導入し、日本の国内市場をこじあけようと試み、為替