私は選挙取材を四半世紀続けてきたライターだ。その私が選挙を取材するときに決めていることがある。それは「全候補者に接触するまでは記事を書かない」ということだ。私はこのルールを公平な選挙取材には必要なことだと考えてきたが、世間の受け取り方はまったく違っていた。「全員に会うのは大変じゃないですか」 「どうしてそんな無駄なことをするのですか」 「当選する可能性が低い人を取材する意味はなんですか」 私の取材方法はかなり特殊なため、同業者からも珍しがられている。そのため私の選挙取材に対する密着取材も何件か引き受けてきた。ついには昨年末、『NO 選挙, NO LIFE』という映画にまでなった。 私が全員