足掛け64年もの間、天皇の地位にあった昭和天皇は、確かな記録の残る7世紀以降の歴代天皇の中で、最長の在位期間を誇る。そして令和6年2月23日、今上天皇は64歳の誕生日を迎えられた。 ちょうど陛下の半生は、昭和天皇の在位と同じ歳月を過ごされてきたことになるが、戦後生まれの陛下にとって、天皇となる運命を定められた日々は、どのようなものであったのだろうか。 幼少期から現在まで、その歩みをたどれば、陛下の心に刻まれた出来事は、まさに戦後の昭和史と符合する。 東京オリンピックが開催された時、天皇陛下(当時は徳仁親王)は4歳。世界93の国と地域から選手たちが集まり、彼らの喜びの笑顔は、国籍や人種、文化の違