領土奪還を目指して、ウクライナ軍が2023年6月初旬に開始した反転攻勢は、ロシアの強固な防御ラインを前に苦戦を強いられ、戦況が膠着し、ウクライナ戦争の長期化が避けられない状況となってきた。 筆者は、反転攻勢が開始された時点では、ウクライナ軍が大勝利して、停戦交渉または和平交渉を開始してほしいと思っていた。 戦争が長引けば長引くほど、ウクライナより人口が多く、経済力でも軍事力でも優位にあるロシアが有利になることは明らかである。 また、戦争の長期化は、米欧各国の「ウクライナ支援疲れ」を掻き立て、世論の動き次第では、今後のウクライナへの軍事支援態勢に影響が生じる恐れもあると見ていたが、それが現実のも