今月に入って英国、エストニア、フィンランドの海軍がバルト海で合同演習を行った時、その狙いは用兵技能に磨きをかけることではなかった。 その代わり、部隊は海底を走るガスとデータのパイプラインを破壊から守る訓練を実施していた。 演習に先立ち、この海域では10月、海底ケーブルが傷つけられる事件が起きていた。 フィンランドのサウリ・ニーニスト大統領は、事件の元凶とされている中国の船が錨(いかり)を海底で引きずったのは「故意だったのか、それとも極めて拙劣な操縦の結果なのか」と首をかしげた。 海底ケーブルは、以前はインターネットの退屈な配管系統にすぎないと思われていた。 ところが今では、中国と米国の緊張関係