個人消費は、物価の影響を受ける名目ベースでみれば好調なようにみえる。 GDP統計の家計最終消費支出は、2023年1~3月期に年率換算の季節調整値で310.5兆円と過去最大に達した。かつて最大だったのは、10%への消費増税直前の2019年7~9月期に記録した300.9兆円だったが、2022年7~9月期以降、その数字を超えている。2023年4~6月期に309.0兆円へ減少したものの、7~9月期に310.3兆円へ増加、過去最大に迫っている。 だが、名目ベースの個人消費拡大は物価高騰の影響が大きい。物価変動の影響を調整した実質ベースでみれば、個人消費は相対的に緩やかな伸びにとどまっている。物価高騰によ