「李克強は習近平に暗殺されたのではないか?」――ここ一週間ほど、各方面から、何度この質問を受けたことだろう。私はそのたびに、「いえ、そんなことはないでしょう」と否定して回った。 暗殺とか毒殺といったことは、もちろん悠久の中国史においては数多あるけれども、改革開放後の中国共産党においては、とんと聞かない。 かつ習近平総書記はこの11年間、「政敵」たちを殺(あや)めるのでなく、「腐敗分子」のレッテルを貼って権力を剥奪し、監獄送りにしてきた。モスクワのクレムリン宮殿に鎮座する「盟友」とは異なり、奪うのは地位と財産、自由までなのだ。 加えて、李克強前首相は今年3月に、習近平主席が望むように政界を完全引退
謀殺説が消えない李克強前首相、告別式で見えた習近平主席との実際の人間関係
東アジア「深層取材ノート」(第210回)
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