今年5月、中国の税関当局が突然「6月からロシアのウラジオストク港を越境のための通過港として使用可能にする」と発表したことで、世界のメディアは敏感に反応、「中国が165年ぶりに同港奪還か」とセンセーショナルに書き立てた。 もちろんロシアのプーチン大統領がこんな見出しを目にすれば面白くないだろうが、恐らく機嫌を損なうような話題を、側近がプーチン氏に耳打ちすることはないだろう。 中国内陸部の東北三省地域(旧満州)の経済発展のため、海の玄関口として一番近い同港を、自国港のように自由に使えるという取り決めだ。同港はロシア東部、極東地域の日本海に面した貿易港で、同国海軍太平洋艦隊が司令部を置く一大軍港でも