「パンはみな毎日必要でしょう。小麦粉がなくなるまで、私たちはパンを提供するわ」 2022年3月、ほとんど人の消えたキーウの街で営業していたベーカリーカフェのおばちゃん、リルヤのこんな言葉を覚えている。 彼女に限らず、私はウクライナ各地で人々がパンへの思い入れを語るのを聞いた。 ウクライナ西部のポチャイウという町で、子供2人を連れて南部ザポリージャから避難してきた女性に出会った。私が夫について尋ねると、彼女は誇らしげに話した。「彼は地元に残って軍と同じくらい重要な仕事をしている。みなのためにパンを焼いているの」 それに、ロシア軍に1カ月にわたり占領されたキーウ近郊の町ボロディアンカで22歳の女性に
占領から解放されたブチャの街、焼き立てのパンの匂いで住民の心は生き返った
記者として当事者として綴ったウクライナの民の戦い(その2)
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