欧州中央銀行(ECB)は7月27日に定例の政策理事会を開催し、3種類ある政策金利をそれぞれ0.25%ずつ引き上げた。利上げは9会合連続であり、主要な政策金利である主要リファイナンス・オペ金利は4.25%となり、欧州連合(EU)の統一通貨ユーロが誕生(1999年1月)した直後の2000年8月以来の高水準となった(図表1)。【図表1 ユーロ圏の金利と物価の動向】 ECBが利上げを続ける最大の理由は、インフレ率の高さにある。 最新7月のユーロ圏の消費者物価は前年比5.3%上昇と、ピーク時の2022年10月(10.6%上昇)から伸びの鈍化が続いている。しかし、エネルギーなど変動が大きい項目を除いたコア