「お母さん、タオルちょうだーい。もうすごいびしょ濡れだよ、靴下まで。もう傘、意味ないじゃん」 一週間ほど豪雨が続いたある晩、帰宅した16歳の長男が玄関から叫ぶ。 厚手のタオルをつかんで、玄関までの廊下を筆者がパタパタと走る。「お帰り、大変だったね。ほら、靴とズボン明日までに乾かさないといけないんでしょ。早く脱いで」 座って靴下を脱いでいる息子の頭に、ポンとタオルを乗せた。 筆者の住む南西部は、ソウルと違ってもともと雨が少なかった。筆者が住み始めた10年前は、傘を使う日が数えるほどしかなかった。20年前の夏にソウルにいた時は、非常に雨が多かったので、同じ韓国なのに梅雨がない地域があるのかと驚いた