今から30年前、ソビエト連邦が崩壊した後、米国の学者サミュエル・ハンチントンがその後の世界の変化について殺伐とした見解を披露した。 かつての東西間の冷戦に「文明の衝突」なるものが取って代わると論じた。 そして先日、中国と米国の対立が激しさを増すなかで、習近平国家主席がこれとは違う見解を打ち出した。 異なる文明は共存できると説いたのだ。 陳腐な楽観論に聞こえるかもしれないが、裏側に隠されたメッセージはそれほど楽観的ではない。 西側は価値観の売り込みをやめよ、さもないとハンチントンの予言が当たることになるぞ、というのがそれだ。 習氏が3月15日に「グローバル文明イニシアティブ(GCI)」を打ち出し