過去1年ほどの株式・債券投資が悲惨な成績に終わったことから、人は金融市場が楽観論に浮かれていることに気づかなかったかもしれない。 しかし、今日の投資家は「浮かれている」としか描写しようがない。 昨年秋から、世界経済の最大の問題であるインフレが大した騒ぎを引き起こさずに収まっていくとの見方を強めているからだ。 その結果、2023年末にかけて利下げがあり、ひいては世界の主要国(そして最も重要なことに米国)が景気後退を回避できると多くの人が考えている。 投資家は今、資本コストが低下する一方で企業の利益が順調に伸びていく「ゴルディロックス(過熱も冷え込みもない適温)」経済を想定して株価評価を行っている