中国と米国が冷戦に向かっている。相互不信がはるかに破壊的なものへと変わりつつある。 互いに折り合うことができず、相手は自国の中核的な野心と利益を阻止する決意だと信じて疑わない2大国間の争いだ。 米サウスカロライナ州沖における中国の気球の撃墜は、対立が手に負えなくなるのを食い止める知恵と意思を米中両国が持ち合わせているか否かを占う試金石だ。 今のところ、その結果はまだら模様だ。 楽観的な見方をするなら、今回の気球撃墜は予期せぬ幸運だった。 もっとひどい事態に発展しかねなかった危機でありながら、失うものが少なく教訓が得られるタイプだったからだ。 中国の戦闘機や軍艦はここ数年、恐ろしいリスクを冒し、