台北・松山空港から金門空港まで1時間足らずのフライト。台湾海峡はこんなに狭いのかと改めて感じる。行政区分としては中華民国福建省金門県とされているが、福建省の中で中華民国(台湾)が統治しているのは金門県のみである。人口は約14万人。空港から、県の中枢である金城の街へ向かう。街の中心に鎮座するのは蒋介石像。台湾本島ではすでに見られない光景だ。台座には「民族救星」と刻まれている。 たしかに、金門島を共産党の統治から守ったという意味では、「救い主」には違いない。1949年に中国大陸から撤退を続けていた国民党は、台湾本島の他、台湾海峡に面する澎湖島、金門島、馬祖列島を辛うじて防衛し、現在まで主権を守り続