「お母さん、オオミソカって何?」 元旦早々、高校生の長男が聞いてきた。早々といっても、幼馴染の家で年越しした息子が帰ってきたのは、夕飯時だった。「昨日のことだよ。そしておそばを食べる日ね。」 わざと曖昧な言い方をした。台所に立つ筆者に、三十日(みそか)と晦日と大晦日の説明をしてあげられる余裕はなかった。「おしるこの残り食べる? 日本のお餅があるよ」 コロナ以前の年末は日本に帰っていたのだが、ここ3年ほど、日本人の友達を我が家に呼んで忘年会をしている。いつもは日本のおそばを茹でるのだが、今回はおしるこで1年の締めをした。「お雑煮」 棒読みで意外なセリフが、背後から聞こえた。「えーっ、お餅はあるけど