エジプトで開かれていた国連のCOP27(第27回気候変動枠組条約締約国会議)が、11月20日に閉幕した。昨年(2021年)グラスゴーで開かれたCOP26では石炭の廃止をめぐって大論争が行われたが、今年はほとんど話題にならなかった。だが蓋を開けると、意外な進展を見せた。 発展途上国が、地球温暖化の被害を先進国が賠償する基金の創設を要求し、最終合意にそれが明記されたのだ。他方でEU(欧州連合)がずっと主張してきた、地球の平均気温を産業革命前から1.5℃上昇に抑えるという目標は、削除されてしまった。 これまでのCOPは、EUを中心とする先進国が「気候危機」を訴え、温室効果ガスの排出を止めるために化石