台北動物園の一頭のパンダを巡って、中台の綱引きが勃発している。 先月、台北動物園の人気者、パンダの「団団」(トゥアントゥアン)が、脳障害にかかって倒れた。パンダの寿命は20年と言われるが、「団団」はすでにこの8月、18歳を迎えている。 もちろん、台湾に野生のパンダは生息しない。このパンダ、中台蜜月時代に中国から寄贈されたものなのだ。 話は、17年前の2005年に遡る。台湾は、いまの蔡英文(さい・えいぶん)民進党総統の「先輩」にあたる陳水扁(ちん・すいへん)民進党総統の時代である。 政権2期目に入った陳水扁総統は、「憲法改正→台湾共和国誕生→台湾独立」を、密かに目論んでいた。 これに怒り心頭とな