記憶に新しい「幡ヶ谷バス停殺人事件」。コロナ禍の最中、渋谷区幡ヶ谷でホームレスと見られる女性が近隣に住む男性に殴り殺された。女性は大林三佐子さん(64)。亡くなる数ヶ月前までスーパーの試食提供係のパートをしており、身なりは綺麗でホームレスには見えなかった。だがコロナで職を失い、家賃が払えず、アパートを追い出され、亡くなった時の所持金はわずか8円。 半月後、追悼する集会とデモが開かれ、170人が参加した。なかには「彼女は私だ」とプラカードを掲げた女性もいた。決して他人事ではない。コロナ禍、あっという間にたくさんの人が職を奪われ、住む場所を奪われ、人権を奪われた。彼女のように命まで奪われてもおかし