イギリスが株安・債券安・ポンド安の「トリプル安」に陥っている。そのきっかけは、9月23日に発表されたリズ・トラス政権の経済対策だった。これはエネルギー危機対策として価格統制を行うと同時に「過去50年で最大の減税」を行うものだ。 財政支出は、5年間で1610億ポンド(約25.5兆円)にのぼるが、財源はすべて国債で調達する。このため財政悪化を警戒して長期金利が5パーセントに上がり、株価が下がり、ポンドは対ドル最安値を更新した。 この経済対策の原因は、イギリスで急速にエネルギー価格が上がっていることだ。このためトラス政権は電気やガスの料金を凍結し、それによる企業の損失を政府が補填する。その補助金で財