2022年8月3日の午前4時、海上保安庁は「日本航行警報」を発表。日本の西端、八重山諸島(石垣市・竹富町・与那国町)の沖合や台湾南部に警報区域を設定した。ナンシー・ペロシ米下院議長が台湾を訪問したことに対抗する、中国の「重要軍事演習」に合わせての設定であった。 中国の「重要軍事演習」は、投入された火力の大きさもさることながら、実施された区域が、これまでより地理的にかなり踏み込んでいたことで注目された。台湾海峡の中間線を無視、さらには台湾の主張する「領海」をも一顧だにしない姿勢を見せつけたのだ。 そして、日本として何より問題であったのは、波照間島のすぐ沖合に設定された演習区域が、日本の排他的経済