8月の米国政治では、大きく二つのことが起きた。一つはトランプ前大統領に反旗を翻したリズ・チェイニー下院議員が共和党予備選で大敗したことであり、もう一つはFBI(米連邦捜査局)が、前大統領が不法に持ち出したとする機密書類を彼のフロリダの自宅で押収したことだ。 選挙戦を管理する米民主党全国委員会(DNC)に言わせると、中間選挙に向けた対共和党の戦いにおいて、チェイニー氏の奮戦が第一の矢で、フロリダ事件は第二の矢とのこと。政治色の強い二つのイベントが8月を支配したのだ。 そのうちの第一の矢は、チェイニー氏が結果的に大敗を期したこともあり、もろくも折れた。が、第二の矢は恐らく11月の中間選挙まで続くだ