ペロシ米下院議長の訪台は、「一つの中国」を標榜する習近平国家主席の顔を潰したという類いの報道が多い。人民解放軍が台湾近海に11発のロケット弾を発射し、うち5発が日本の経済水域(EEZ)に着弾したことを指して、「中国の怒りはすさまじい」と説くような話である。 しかし、本当にそうだろうか。米ニューヨーク・タイムズは、7月9日にブリンケン国務長官と王毅外交部長が会談した際に、ペロシ訪台は既に了解済みだったと報じている。つまり、ペロシ米下院議長の訪台パフォーマンスは止められなくとも、彼女をバイデン大統領と習近平国家主席の手のひらで踊らせることはできたと考えるべきだろう。 本稿ではペロシ訪台の背景と実際
不発に終わったペロシ訪台、日本人が見落としている米中再接近の兆し
訪台をミニマイズした習近平が狙うウクライナ後のグローバル・ポジション
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