ウクライナ情勢は緊迫の度を増している。ロシアとウクライナの停戦交渉やフランス、ドイツ、トルコ、イスラエルなどによる仲介の努力も続いているが、期待されたような成果は生まれていない。ロシアはウクライナの「中立化」、「非軍事化」を、ウクライナはロシア軍の即時撤退を要求し、両者の主張は真っ向から対立している。ウクライナは、「ロシアの要求する中立化については議論する余地があるが、領土の割譲は拒否する」と明言している。つまり、中立化の前提として、NATOとロシア双方でウクライナの安全を保障すること、またクリミア併合は認めないということである。この提案について、ロシアが理解することは期待できない。