外務省がある外交文書を公開した。1989年に中国で起きた天安門事件に関する文書だ。そこでは日本政府が、軍による民主化運動の弾圧について批判しながらも、中国の国際社会からの孤立を憂慮する様子が記録されていた。だから、日本は各国に先駆けて経済制裁を解いた。中国は孤立せずにすんだ。しかし、その後の中国はどのような道を進んだのか。民主化は進んだのか。世界を脅かす軍事大国化を突き進んだのではないか――。あの時の日本政府の決断は果たして正しかったのだろうか。